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2004年 09月 22日
○ 定義らしきもの
状況の変化に柔軟に対応し、人と見分けがつかないほど自然なコミュニケーションができる。自ら学習したり、周囲の状況に応じて反応したりするなど、自立的、知的な動作をこなす。触ったときにも人間と同じような反応ができ、背中を触ったら振り返り、ちょっと強めにくすぐると「くすぐったい」と反応し、頭をたたくと「痛いよ」と答え、そのままたたき続けると「ふえん、ふえん」と泣き出す。・・・。 人型ロボット、アンドロイド、ヒューマノイド、知的ロボ、いろんな呼び方がありますが、ここでは、 【 ヒトと同じ<ような>心をもっている<ように見える>ロボット 】 を想定し、これをKロボと呼ぶことにいたしましょう。 ○ Kロボは客観現象 ヒトと外見上、同じような表情、同じような態度、同じような発言、同じような表現、同じような行為・・・ができれば、それをもってKロボとすることにします。 赤いバラを見たとき、Kロボの内側ではどのように感じられているのか、とか、花火を見たとき、内心ではどのような感慨を持つのか、というようなヨウイデナイことは、問わないことにします。 Kロボに《私》はあるのか、なんていうムズカシイ問題も、とりあえず棚上げしておきましょう。 ○ 目標とされるKロボ ヒトとコミュニケーションができ、周囲の状況に応じて反応し、自転車に乗れ、経験から学べ・・・、外見上ヒトと見分けがつかないロボット、が目標です。 ただ、ヒトは老若男女、多種多様、千差万別で、ヒトとのコミュニケーションが苦手なヒトも、周囲の状況に適切に対処できないヒトも、自転車に乗れないヒトも、なかなか経験から学べないヒトもいるようですから、すべての点で理想的なヒトではなくてもよろしかろう。仮に”標準的なヒト”というものがあるとして、その標準に達しているかどうかも、そんなに問題とはしないことにしましょう。 大勢のヒトが見て、その半数以上がヒトと区別しない、あるいは感情移入できる、という程度のレベルにあれば、良しとすることにしましょう。まあ、アニメの主人公に感じるのと同程度、もあれば御の字というところでしょうか。 ○ Kロボの物理的な外見 ヒトは、仮面をかぶっていても、手袋をしていても、義足を付けていても、着ぐるみを着ていても、やはりヒトとして見られるでしょうから、物理的な外見には、あんまりこだわらないことにいたしましょう。 ハイハイしかできなくても、車椅子に乗っていても、寝たきりでも、とりあえず良いことにします。体の造りや運動能力、感覚器官や精神等に多少の”障害”があるように見えても、広い心で、なるべく大目に見ることにいたしましょう。 逆に、一部ヒトの能力を超えた、”超人的”なところがあっても、笑って許してあげましょう。 ○ 心の仕組みの解明が必要 ヒトの心の仕組みは、とても解明されているという状況にはなっていないと思います。それが充分に解明できなければ、Kロボの実現も困難でしょう。逆に、Kロボの実現に向けての研究や技術開発が、ヒトの心の解明に役立つかもしれません。 ただし、クオリアとか、主観とか、《私》なんていうメンドウな問題は、とりあえずは脇に置いとくことにましょう。 ○ ヒトの仕組みと完全に同じではなくても良い ヒトは生物学的な進化の産物で、進化というのはその時その時の状況に場当たり的に対応し、結果的に生存する確率、子孫を残す確率が高いものが生き残ってきた、というもののようです。初めに実現すべき目標があり、それを実現するのに最適な設計を行い、その設計図に基づいて造られた、というようなものではないようです。 Kロボは、生物学的な進化も、その結果としての場当たり的な構造もマネする必要はないのではないか、と思います。その結果としてのヒトの仕組みが解明されれば、それを合理的に実現できる、最適な設計に基づいて造られてもそれでいいのではないか、と考えます。 ○ Kロボの実用性 介護などの分野で活躍するパートナー型ロボット、個人の好みを把握してきめ細かな対応をする情報家電などに応用。つまり、Kロボは介護や癒しに使える? 一台(一人)のKロボを作るのに1億円かかるとして、時給800円でアルバイトが雇えるのに、それじゃあ元が取れないじゃないか、などとは考えないことにしましょう。 アポロ計画やハッブル宇宙望遠鏡、COBEやWMAPにどのくらいの費用がかかったのかは分かりませんが、先般の火星探査計画の予算規模は8億3千万ドル以上だそうです。それだけの金があるなら、もっとほかにやるべきことがあるんじゃないの、なんて考えるのはやめにしときましょう。それをやることによる副産物や技術進歩に期待して、なんてのもまずは控えましょう。 Kロボは、何の役にも立たなくたって構わない。物質、宇宙、生命、意識・・・とはいったい何なのか、どのようなものなのか、世界や自らの存在の根源を探求する、っていうようなことだけでも、充分に満足できるんではないかと思ってます。 ○ Kロボの社会的な問題 Kロボができると、ヒトの心情、思想、倫理、社会制度、法律体系・・・に、混乱をもたらすことがあるでしょう。 ただ、Kロボの実現は少しずつ段階的に行われていくでしょうから、人間社会は時間をかけて充分それに対応できる、のではないかと期待することにしましょう。 少なくとも、心の神聖さが損なわれる、人間の尊厳が侵される、なんていうような批判は、やめときましょう。 ○ Kロボの実現に期待されること ”心”は、宇宙や世界を理解するうえで、人に残された最後で最大の難問かな、なんて思ってます。 Kロボが可能性として想像できるというのではなく、現にそこにある、それを見れる、それとコミュニケーションができる、というようなことになれば、・・・ 心についての人間中心主義的な考え方が修正される、根拠のない思い込みや、哲学的な思弁が整理される、というようなことが期待できるのではないかと思います。しかし、それらが淘汰・消滅する、ということでなくて構いません。 何がどのようであるか、ということと、何をどうすべきか、何をどうしたいか、ということが、キチンと区別されるようになることも、私は期待しています。
by nbsakurai
| 2004-09-22 09:56
| エリア3 (ロボットの心)
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