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2004年 09月 22日
『心の理論』
例えば、あるサルAにだけおいしいエサの隠し場所を見せ、仲間のいるオリに戻す。オリを開けると、Aは一目散にエサのある場所に行ってエサをせしめる。それを繰り返しているうちに、だんだん他のサルがそれに気づいてくる。そうすると、他のサルたちに後をつけられ、Aはエサを横取りされてしまうようになる。そうなるとAは考えて、オリからまっすぐにエサのあるところに行ったりしなくなる。エサとは関係ないところをソシラヌ顔でうろつきまわり、仲間のサルがあきらめてついてこなくなったのを見計らってから、おもむろにひとりでエサのところに行くようになる。 自分とは違った知識や意識を他者は持つんだなぁと考えることができる能力、そういう自分と違った他者の心のあり方を推測する能力、そういうことをガクシャは”心の理論”なんて呼んでいるみたいです。で、ヒトは何歳になったら心の理論を獲得するのか、と物語を見せて実験してみたり、自閉症児はどうなのかな、なんて議論したりする。 上に述べたことが適切・正確なものかどうかは、ちょっと自信がありません。自分が読んだモノをキチンと整理できたりはしてはいないので、証拠を出してみろ、出典をちゃんと示せ、というふうに迫られると、ちょっとした手間ヒマがかかってしまうのですが。 『ミラーニューロン』 2002年8月のことらしいです。サルの前で研究者がたまたまアイスクリームを食べたら、脳に電極を挿されているカワイソー(?)な猿の脳で、そのサル自身がものを食べたときに働くのとオンナジような脳の領域が活性化されてた。サルは実際は何もを食べていないのに、他人の行動を見たことによって、まるで自分がその行動をしているときのと同じように活性化する、ニューロンの一群が見つかった。―― これが、ミラーニューロンという大騒ぎの始まりのようですよね。 これまでに知られている行為としては、ものをつかむ、ピーナッツの殻を割る、紙を置く、引き裂くなどという行為のようで、自分の外にそういう行為をしている人を見ると、自分がそういう行為をしているときと同じようなニューロンが活性化する、そういうことが発見された、っていうことですよね。そこで、いろんな仮説が山のように提唱された、それが現在の状況っていうものなのでしょうか。 それはそれは、世紀の大発見というくらいに、研究者にとってはビックリすることだったみたいですし、その気持ちも分からなくもないけど、でも、落ち着いてよーく考えてみれば、そういうニューロンの活動があるってことは、いかにも、いかにもって思えませんか? ミラーニューロンは、他者の行為を自分自身の内的な行動に対応づけることによって、自分の行為と他者の行為を結びつける役目を果たす、なんていうのは、確かにそのとおりかもしれないんだけど、何らかの形で対応づけなくっちゃ理解したことになんない、っていうのは、考えてみればなんだかあたりまえのようにも思えてしまうのです。それまではそういうものは見つかっていなかったのですから、確かに大発見には違いないと思うのですが、いわば、あってあたりまえっていうような気もだんだんしてきたりしてしまうのです。そういうようなことがなければ、いわゆる心の理論(他人のこころを想像する能力)っていうのも、成り立ちそうもないですしね ミラーニューロンというのは、あくまでも脳内の神経細胞、こういう状況のときにこういう反応をするという、一群のニューロンの話です。 それはもともと、客観的な対象として見られる、客観現象です。 一方「私」というのは、客観的に見られる客観現象とは違う、別のものです。 客観現象であるニューロンの活動と、そうではない「私」は、そもそも初めから”分断”されているわけです。 この事情は、それがミラーニューロンであっても、変わらないと思います。 「私はどういうように感じているのか」ということは、そもそも、「私」の外から客観的に観察して言うようなものでは、ないのかもしれません。 自分の脳のニューロンの状態を映し出した画像を見て、ああそうか、ミラーニューロンがこういう活動をしているから、自分はいまあれに感情移入しているんだな、と納得するって、なんか変ですよね。 ミラーニューロンの話と、「私」の話は、そもそも別の話ではないかと思います。
by nbsakurai
| 2004-09-22 14:28
| エリア6 (生物学的発想)
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Tracked
from LOHASな生活~心と体..
at 2007-04-25 17:46
タイトル : 脳トレ♪22~22日目~
昨日はかなりばたばたしてしまって記事の更新が出来ませんでした。 楽しみに見ていただいてる読者様、訪問者様すみませんでした。 さて昨日のの脳トレは、 人物ドキュメンタリーの主人公や、 自分の悩みをあまり自分より先に解決した人などと 比べて 『はぁ... more
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